トルネード竜巻「ふれるときこえ」
複雑な曲と遊び心、というイメージだったトルネード竜巻だが、それらからは遠いと思われる「感情」「色気」というキーワードが、このアルバムからは感じられた。
音楽には器楽、声楽とあるわけだが、声楽のほうが遥かに歴史は古く、誤解を恐れず言えば、感情の伝達手段としてみた時に、声楽のほうに圧倒的有利がある。それこそ有史以前から、声で感情を表現することは人間が生きていく上での必須のものであったと考えられるが、それに比べれば、器楽はあまりに歴史が浅い。
インストルメンタルとヴォーカルの対比で見たときに、トルネード竜巻のようにどちらかと言えばインストルメンタルに重点があり、ヴォーカルが一歩引いた立ち位置になっているバンドであっても、聞き手の関心は7割方ヴォーカルに集中しているのではないだろうか。逆にヴォーカル中心のバンドでは9割方であろう。
初期のアルバムでは「楽器の一つとしてのヴォーカル」として、あまり感情を表に出してこなかった名嘉真祈子(なぜか変換できない)のヴォーカルは、このアルバムでは「会いたい、会いたい、会いたい」といった歌詞に意外なほどストレートに感情を表現している。ウィスパーではないがすこしハスキーな声質と相まって、なかなか「色気」のあるヴォーカルになっている。
トルネード竜巻の新たな面のこれからの展開に期待したい。
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