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Quitab Live 「Into the Sky」

Quitab Live 「Into the Sky」
 今回のyasukoさんはけがによりライブの開催自体危ぶまれていた。しかし藤野さんの「できることをやろう」という言葉に勇気づけられ、楽器演奏の部分で人の助けを借りる等して、なんとか開催にこぎ着けることが出来た。そのような状況での「ユー・レイズ・ミー・アップ」は、あなたのおかげでここまでこれた、という感謝の気持ちが歌と共鳴して、人にそのまま想いをつたえることができた、奇跡的な体験であった。
 音楽は音によって出来ていて、その音はリズム、メロディー、ハーモニーの三つの要素に分かれていて、そしてそれぞれはまた細かく細分化されていくわけだが、その細かいところにとらわれている音楽家があまりに多い。しかし、その細分化された先をつきつめ、究めていっても、そこにはなにもないのである。音楽の目的は人と人の感情の共有にあるのであって、音はその手段に過ぎない。ハーモニーがテンション使っているとか、リズムがどこかの民族のものだとか、それらも大事だけれども、それだけにとどまり、そこに共有すべき人間の感情が存在しないのなら、それは音楽にはならない。
 また感情を共有したいと思うような人間同士の信頼関係がなければ、感情の共有は起こらない。楽器を弾く技術がいかに上手かろうが、人として人との関係を築くことが出来ないような性格では、観衆もポジティブに受け入れることができず、そこに音楽は存在できないのだ。人が好きでないのに、伝えたい感情がないのに、音楽をやろうとしても、それは空しいものにしかならない。
 私の音楽との向き合い方は、小さい時から、ついこの間まで、「音」とかその「構成要素」とかに重点を置いてきたわけだが、それがそのついこの間の体験により「感情の共有」というところに180度考えを変えさせられることとなったのが実態である。yasukoさんのライブはその感情の共有度合いに置いて、きわめて高いレベルを実現していたと思う。今後の活躍が楽しみである。
by k_nakae | 2007-06-01 22:43

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音楽、映画、スポーツなど、演じるものと観客の共感をテーマにコメント。
by k_nakae
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